
ウォーミングアップをやりすぎていませんか?
「ウォーミングアップの目的を知りたい」
「効果的なウォーミングアップの方法を知りたい」
この記事はそんな方に向けて作成しました。
目次
マラソンレース当日のウォーミングアップの目的は2つ
目的を知らずにウォーミングアップをするとレース前の大事な時間とパフォーマンス向上のチャンスを失うことに最近気づいて、書籍やWebで調べてみました。ウォーミングアップの目的は体を温めるだけにあらず!
この記事ではウォーミングアップの2つの目的とウォーミングアップ方法を解説していきます。
目的1 体を温めて運動に備える
レース前に体温を上げることで運動に備えるのはよく知られているウォーミングアップの目的です。冷えた筋肉は硬い状態で動きが悪いので、温めて柔らかい状態にしておく必要があります。
また、筋肉が硬直した状態で運動するとケガをしやすい。故障のリスクを減らすためにも体温を上げて、全身をレースの高強度な運動に耐えられる状態にしておくことが肝心です。
目的2 心拍数を上げて「セカンドウインド」を早める
ウォーミングアップのもう1つの目的は、レース前に心拍数を上げておくこと。
通常、レースの序盤で酸素不足による「デッドゾーン」と呼ばれる苦しい時間帯を迎えた後、次第に体が走ることに慣れて「セカンドウインド」という楽な状態に移行します。
ウォーミングアップで心拍数を上げておくと、スタートの時点で「セカンドウインド」に近い状態にもちこめる。現代のコーチング理論を築いたアーサー・リディアード氏によれば、130~140回/分まで心拍数を上げるのが目安です。
関連記事>>「デッドゾーン」と「セカンドウインド」を徹底解説。
マラソンレース当日のウォーミングアップ方法
2つの目的を果たすために長時間にわたるウォーミングアップは不要です。以下の2つを基本に、その日の体調で調整するのがいいと僕は考えます。
- ジョグより少し速めのスピードで10分間走る→体を温めて心拍数を上げる
- 100mのウインドスプリントを3本~5本→心拍数を130~140回/分までいったん上げる
後はジョギングなどで心拍数が落ちすぎないように保つといいでしょう。スタートまでの時間が長いと体が冷えてせっかく上げた心拍数も元に戻るので時間の調整も肝心です。
ちなみにウォーミングアップでストレッチをすることには賛否があります。僕はやりますが、全くやらない人もいるようですね。
関連記事>>ランニング前のストレッチ不要論をくわしく検討してみた
フルマラソンならウォーミングアップは少なめに
フルマラソンを走るならウォーミングアップは少なめにしましょう。トップレベルの選手を除きフルマラソン序盤のペースは速くありません。ウォーミングアップをやりすぎて疲れるのだけは避けてくださいね。
ウォーミングアップする時間がなかったなら、序盤でゆっくり温めるくらいの気持ちでいきましょう。
まとめ
- 目的1:体を温めて筋肉や関節を柔らかくする
- 目的2:心拍数を上げてセカンドウインドを早める
- 長すぎるウォーミングアップはパフォーマンスを落とす
参考文献
アーサー・リディアード(1993)『リディアードのランニング・バイブル』小松美冬訳,大修館書店
1988年千葉県産。25歳に走り始めた。サウナーでありロングスリーパー。ミドルレンジのトレイルレースを中心に走っている。おんじゅくオーシャントレイル2020、みたけ山トレイルラン2019などで優勝。PBはハーフが1:10、フルが2:35。
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