フルマラソンでのネガティブスプリット徹底解説。デメリットは?

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落ち込むうさぎ

(この記事は2019年4月22日に更新されました。)

ネガティブスプリットは向き不向きがある。

「ネガティブスプリットの特徴やデメリットを知りたい」
「ネガティブスプリットに向いているタイプを知りたい」

この記事はそんな方に向けて作成しました。

フルマラソンで有効な「ネガティブスプリット」とは何か?

ランニング競技において、中間点を境にした前半より後半のタイムが速いことをネガティブスプリットといいます。主にペース配分が勝負のカギになるフルマラソンで話題になりますね。10㎞やハーフマラソンだと練習しているランナーは一定のペースで押せるため、戦略として有効ではありません。

この戦略を初めて聞いた時には「ネガティブ“スピリット”」だと思っていました。てっきり、前半は勝負しない消極的な選手のことを揶揄した言葉かと。それぐらい「前半で貯金を作る」走り方が当たり前だと思っていたのです。

現在では世界記録が出る時はほぼネガティブスプリットだと言われています。トップ選手だけではなく市民ランナーが自己ベストを狙うペース配分としても推奨する人が増えてきていますよ。

ただし、全てのランナーにネガティブスプリットが向いているわけではありません。ここからはネガティブスプリットのデメリット、向いているタイプを考えます。

ネガティブスプリットのデメリットは何か?

ネガティブスプリットで市民ランナーが走るメリットは「ペースの急激な落ち込みを避けられる」「スタート直後の混雑にも焦らない」など他のWebサイトや本でたくさん紹介されているので、この記事ではデメリットに注目してみます。

練習が積めていないと無理

ネガティブスプリットはフィニッシュタイムの速い人ほど成功する確率が高いです。乳酸がたまっている後半にペースを上げるには、練習で脚力を培っていることが前提。脚力がなければ、前半抑えたとしてもズルズルペースダウンするでしょう。

また、ペースをむやみに遅くすることで血流が促進されずに乳酸の除去が遅れる可能性もあります。

後半の秒単位の遅れに焦る

ポジティブスプリットで前半に貯金を作ると後半少しペースが落ちた場合にも余裕をもって対応できます。しかし、ネガティブスプリットの場合には貯金がないため、後半に数秒でも遅れ始めると精神的に焦ってしまいます。

予想外の事態に対応できない

ネガティブスプリットの場合は貯金がないため、後半にトイレに行くなどのトラブルがあった場合に受ける精神的ダメージが大きい。取り返すために急なペースアップを余儀なくされ調子を崩す結果につながります。

ネガティブスプリットに向いている人

ネガティブスプリットをすすめる人が増えていますが僕はポジティブスプリット派。ベストタイムを狙う時には後半に多少の落ち込みがあっても大丈夫なように走ります。やっぱり後半に上げていくのは精神的な負荷が強く、向き不向きがありますよ。

ネガティブスプリットは走力よりも精神的な適性が問われるのではないかと考えます。どんな人に向いているのか見ていきましょう。

淡々としている人

ポジティブスプリット(前半型)ではレース前の緊張と興奮を抱えたままスタートし、多少のハイペースで入っても想定内。反対にネガティブスプリットの場合にはスタートからしばらくは自制する必要があるので、淡々とペースを刻める人に向いているでしょう。

細かいことを気にしすぎない人

ネガティブスプリットの場合、前半は一定ペースで刻んでいきます。1kmごとのラップを守れないことに動揺する人には向いていないでしょう。

自分のペースがわかる人

自分が現在走っているペースがおおよそわかることも大事です。僕は時計を見ないと1㎞のペースがなかなか安定してこないタイプなので、同じペースを刻み続けるネガティブスプリットは難しい。

トップ選手に見るフルマラソンでのネガティブスプリット

フルマラソンには「35㎞の壁」があると言われています。エネルギー貯蔵量やスタミナ、精神力など全ての面で35㎞以降に苦しさが格段に増すことを表した言葉。しかし、最近のレースでは35㎞からペースを上げる選手が増えています。2018年12月の福岡国際マラソンの服部勇馬選手が35㎞以降で勝負強さを発揮したのは記憶に新しいところ。

ここでは、後半の粘りに定評のある川内優輝選手とネガティブスプリット率の高いアフリカ勢の特徴からネガティブスプリットを考えてみます。

川内優輝選手はネガティブスプリットの名手

川内選手はいったん後退してからも驚異的な粘りでトップ争いに復活することの多い選手。僕が衝撃を受けたのは2017年12月の防府読売マラソンで優勝した時の走りです。2:10:03でフィニッシュし、前半が1:05:25、後半が1:04:38のネガティブスプリットでした。

35kmまでは5kmあたりのタイムが15:23~15:39の幅で走り、35km~40kmのタイムは15:04。解説者も「強すぎる」と驚いていました。後半で他の選手を一気に引き離しています。

ちなみに川内選手は、2017年8月のロンドン世界選手権でもラスト2.195kmは優勝したキルイ選手(ケニア)の6:51よりも速い。全選手中1位の6:41で走っています。

川内選手のネガティブスプリットは、あらかじめ狙っているというよりは強靭な精神力がなせる業な気がします。30㎞を過ぎて明らかにきつい様子なのに全くペースを落とさない時が多々ありますから。

アフリカ勢のネガティブスプリット

アフリカ勢は戦略としてネガティブスプリットを採用することが多いです。国際的なレースでアフリカ勢を見ていると前半から独走する選手はほとんどいませんね。明らかに力のある選手も前半は抑えて、ペースメーカーが外れた30kmからヨーイドン!という構図。

前半から飛ばして後半に落ちるかもしれないリスクは取らない。余裕のある1km/3分ペースで30kmまでペースメーカーを使って「移動」して、そこから勝負するのが最近のマラソンの潮流です。ただしこれは3分ペースを余裕に感じるアフリカ勢だからできること。日本の選手が彼らと勝負するには最初から揺さぶりをかけないと難しいかもしれません。

まとめ

  • ネガティブスプリットは主にフルマラソンで後半にペースアップする走り方
  • ネガティブスプリットは練習不足では実践不可
  • ネガティブスプリットは淡々とペースを刻める人に向いている
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