
(この記事は2019年6月13日に更新されました。)
LSDには賛否両論あるけど、僕は賛成。
「LSDとはどんな練習方法なのか知りたい」
「LSDでマラソンが速くなるのか知りたい」
この記事はそんな方に向けて作成しました。
マラソンに役立つLSD(Long Slow Distance)とは?
LSDは古くからある練習法で「長~く、ゆ~っくり走る」のが特徴。普通のジョグではなく、歩きに毛が生えたぐらいの8分~9分/kmでじっくりと走るのがポイントです。
もともとは1984年に刊行された佐々木功氏の本「ゆっくり走れば速くなる」で提唱された練習法。LSDを取り入れた選手としては、佐々木氏が指導して1988年のソウルオリンピックにも出場した浅井えりこ選手が有名です。
これだけ新しい理論が提唱されるマラソン界で、30年以上も支持されているとはスゴいですね。
LSDでマラソンは速くなる?
LSDは、心肺機能と遅筋の強化に効果的とされています。
マラソンの初心者や中級者がLSDを継続的に行うと、走りの基礎力が向上するので速くなるのは納得。一方、サブ3ランナーなど一定の走力以上の人は基礎的な力はすでに身についているので、LSDだけで劇的な成果を得るのは難しいでしょう。
しかしサブ3ランナーでも、それまでにLSDを試していなければ効果が出るかもしれないと僕は考えます。佐々木功氏は「遅く走ることでしか開発できない毛細血管がある」と言っており、ハイレベルな練習をこなすランナーだからこそ、遅く走ることによって開発できる部分が残されているのではないでしょうか。
サブ3ランナーは同じ練習ではタイムが伸びていかない時期をいつか迎え、練習法に悩む人が多いです。その時に、あえて遅く走ることで新たな境地に突入する可能性があることは心の支えになります。
この効果を得るためには6分/kmで走っていてはだめで、「なんだかだるい」と感じるぐらい遅く走りましょう。そして、上級者で効果を得ようと思ったらできれば3時間以上、少なくとも2時間以上は継続して走る必要があるのではと僕は考えます。
LSDを2か月間やってみた!
LSDは賛否両論で、最近では取り入れていない選手の方が多いように感じます。こればかりはやってみて自分に合うかどうかを試すしかない。僕は2か月間継続してLSDをやってみたところ、効果がありました。
90分~120分の「ロングジョグ」はやっていたもののLSDは取り入れていない状況で、週に1回~2回、3時間程度のLSDを取り入れました。ペースは8分/kmくらい。
これがかなりダルい。あまりに遅いから爽快感はなし。さらに、遅すぎるゆえにフォームを保つのに余計な力が必要で変な疲れ方をする。練習としては、強度は低いものの精神的に摩耗するものでした。
半信半疑で2か月ほど続けていると、フルマラソンやトレイルレースで徐々に結果が出始めたのです。特にフルマラソンでは、半年前に比べて1㎞あたり10秒ほどペースを速くしても淡々と走れるようになり驚きました。
この頃はトレイルでの長時間走を取り入れるなど密度の濃い練習をしていたので、どこまでがLSDの効果かはわかりません。しかし、完全に新しいメニューはLSDだけだったので、ある程度の効果はあっただろうと考えています。
マラソンのトレーニングでLSDはやるべき??
必ずやるべきとは思いません。しかし、以下の人にはおすすめしたいです。
- 同じ練習を続けて伸び悩んでいる人
- ケガをして速いスピードで走れない人
特に故障中の人にはおすすめ。状態によってはLSDならできるし、普段はやらないトレーニングにあえて取り組むことで故障中にワンランク上の力を手に入れられる可能性があります。
遅く走ることで体の奥底の鉱脈を掘り起こしていく。そんな面白みがLSDにはある気がします。もちろん、何も見つからないこともあるかもしれませんが…。
まとめ
- LSDは極端に遅いペースで長時間走るトレーニング
- 初心者が基礎を作るのに効果的
- 上級者で伸び悩んでいる人も試してみよう
1988年千葉県産。25歳に走り始めた。サウナーでありロングスリーパー。ミドルレンジのトレイルレースを中心に走っている。おんじゅくオーシャントレイル2020、みたけ山トレイルラン2019などで優勝。PBはハーフが1:10、フルが2:35。
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