
(この記事は2019年6月14日に更新されました。)
お腹が減って力が出ない…。
「ハンガーノックとは何か知りたい」
「ハンガーノックの対処法を知りたい」
この記事はそんな方に向けて作成しました。
ハンガーノックとは何か?
ハンガーノックは極度の低血糖状態に陥り、体に力が入らず頭もぼーっとしてやる気も削がれる恐ろしい状態。ハンガーノックになると、「頑張ろう」と走り出す気力も湧きません。重症化すると意識消失、死につながることもあるので侮らないようにしましょう。
原因は炭水化物などを食べることで体内に蓄えられるグリコーゲンの枯渇。補給計画のミスなどがきっかけになります。レース中にハンガーノックになるとすぐに調子が戻ることはないので予防が大切です。
僕のハンガーノック体験談
2016年のハセツネ(71.5㎞/トレイル)でハンガーノックになりました。想定していたよりも気温が高く体力を消耗したこと、ハセツネではエイドがなく荷物を全て背負うためエネルギー補給の間隔を空けすぎたことが原因。
25㎞走ったところで、次のような状態になりました。
- 腹が減った感覚が体の末端まで広がっていく感じ
- 思考がまとまらない
- 立ち止まり、数分ジョグしてまた立ち止まる
- 「走ろう」という気持ちにならない
- 補給をしても調子が戻らない
結局コースの半分ほどの距離でリタイア。体に力が入らないことより、気力が完全に失われる感覚に衝撃を受けました。人によっては手足のしびれが出て、ひどい場合には意識を失うこともあるそうです。
ハンガーノック対策で大事なのは予防!
ハンガーノックになるとまともにレースを続けるのは不可能です。エイドで補給し回復すれば進む選択もできますが、リタイアに追い込まれることが多いでしょう。
何より大事なのはハンガーノックにならないこと。
対策は、朝食やレース前の食事で糖質を十分に補給しておくことが一つ。もう一つは、レースの距離とエイドの場所をよく考えて、余裕を持った補給計画を立てることです。
プラス1個のジェルを持とう
「補給食が足りなくなるかも」と思うと不安に駆られます。プラス1個のジェルをザックに忍ばせて、いざという時に備えましょう。たった1個余分にあるだけでも心の安定と冷静なレース運びに役立ちます。
ハンガーノックになった時の対処法
いくら予防してもハンガーノックになることはあるもの。なってしまったら、できるだけ早くエネルギーを体に入れ休む。これしかありません。
トレイルレースの場合、最寄りのエイドまでは自分でたどり着くしかないので歩きでゆっくり進みましょう。意識がもうろうとして滑落の危険性も高まるため細心の注意が必要です。
レースを続行するかどうかは体調を見ての判断になります。しかし一度ハンガーノックになった体には大きな負荷がかかっているので、補給したところで元通りにはなりません。慎重な判断が求められます。
まとめ
- ハンガーノックは極度の低血糖状態
- 体に力が入らず、思考がまとまらない
- レース前の食事と補給計画を綿密に
- ハンガーノックになったら無理は禁物
1988年千葉県産。25歳に走り始めた。サウナーでありロングスリーパー。ミドルレンジのトレイルレースを中心に走っている。おんじゅくオーシャントレイル2020、みたけ山トレイルラン2019などで優勝。PBはハーフが1:10、フルが2:35。
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