日本山岳耐久レース(ハセツネカップ)コース解説

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ハセツネ

(この記事は2019年8月22日に更新されました。)

「ハセツネのコースを詳しく知りたい」

この記事はそんな方に向けて作成しました。

ハセツネのコース概要

ハセツネ

出典:「長谷川恒男カップ」公認マップ

  • 距離:71.5㎞
  • 累積標高:4582m
  • 最高地点:1527m(三頭山山頂)

ハセツネは36㎞地点の三頭山(最高地点1527m)までが登り基調、後半が下り基調のわかりやすいコース設定。後半は第二関門(42㎞地点)の月夜見直後の御前山と、大岳山への登り以外に長い登りはありません。

ペース配分についてよく言われるのが、スタート~第一関門(浅間峠:22㎞)・第一関門~第二関門(月夜見:42㎞)・第二関門~フィニッシュのタイム比率が3:3:4になるということ。区間ごとの特徴と、自分の登り下りの適性を考えつつ、パートごとの目安タイムを決めておくのもいいですね。

ここからは、「スタートから浅間峠」「浅間峠から月夜見」「月夜見から御岳山」「御岳山からフィニッシュ」の4つに分けて詳しく解説します。

【ハセツネコース序盤】スタート~浅間峠(22㎞)

ハセツネ序盤

五日市中学校をスタートし4㎞ほどはロードが中心。渋滞を避けるためか、ハセツネの序盤は全体的にスピードがかなり速めです。2018年に出場した際には、スタートから300mほどの下りで転ぶ人も見かけました。転倒リスクが高いので要注意。

ロードとちょっとしたトレイルで4㎞進むと、今熊神社へ200mほどの一気登り。ここからはほぼトレイルです。この登りは傾斜がきつく心拍数が一気に上がる場所。絶対に焦ってはいけません。ゆっくり、ゆっくり、心拍数を上げずに一歩一歩登りましょう。

約4㎞地点の今熊神社から約19㎞地点の生藤山までの15㎞は、ひたすら細かいアップダウンを繰り返しながら徐々に標高を上げていきます。序盤だから走れてしまうものの、非常に負荷の高い区間です。ここでペースを上げて走ると浅間峠以降で地獄を見ることになります。

生藤山から3㎞ほどは下りが増えて、第一関門の浅間峠に到着。レースの序盤ながら、50位以内で到着する選手でも既に苦しそうな人が多いのもハセツネの特徴。浅間峠までのペース配分にかかってくる部分は非常に大きいと言えます。

【ハセツネコース中盤】浅間峠(22km)~月夜見(42㎞)

ハセツネ中盤

個人的には「浅間峠~三頭山」のおよそ14㎞がハセツネの肝かと。ここでペースを落とさずに淡々と走れた人は、満足のいく結果を残す印象です。

★浅間峠(22km)~三頭山(36km)

第一関門の浅間峠を通過し、10㎞先の西原峠まではダラダラとした登り基調のトレイルが続きます。「走れるけどキツイ」と感じるいやらしい登りが多い。浅間峠までに消耗していると、この10㎞が絶望的に長く感じます。

そして、西原峠から三頭山までは標高差350mほどの登り。細かいアップダウンに削られた体にはかなり酷。耐えて、耐えて、足を前に出すしかありません。三頭山避難小屋を過ぎると、標高差100mを一気に登って山頂です。

★三頭山(36km)~月夜見(42km)

三頭山山頂から鞘口峠までは1.7㎞の急な下り。ほとんどの選手は日没を迎えているのでライトを使うことになり、岩も多いため怪我をしやすいポイントです。

鞘口峠まで下りたら、第二関門の月夜見第二駐車場までは約4㎞。鞘口峠からの標高差約100mの登り返しが地味にきついですが、それ以降は大丈夫。わりと平坦なトレイルで第二関門まで走ります。3回車道に出るので、車に注意してください。

【ハセツネコース終盤】月夜見第二駐車場(42km)~御岳山(58km)

ハセツネ終盤

★月夜見(42㎞)~御前山(46km)

第二関門がハセツネコース上で唯一の補給ポイント。スポーツドリンクか水を1.5l補給して後半戦に備えます。

第二関門から御前山の山頂までは約4.5㎞。1.5㎞ほどが下りとフラット。あとの3㎞弱はひたすらだらだらと登るパートです。この登りはかなり辛い。山頂かと思いきやフェイクの「惣岳山」が途中にあり、なかなか終わらない登りに気持ちが滅入ります。

御前山を登り切れば一気に完走が近づく印象。御前山以降は走りやすいパートが増えます。

★御前山(46km)~大岳山(53km)

御前山から大ダワまでは3km強の下りを一気に駆け抜ける。一部急なパートがあるものの、走れる部分が多いです。大岳山が控えているのでペースアップはまだ早い。

大ダワに到着したら、最後の難所大岳山の山頂までは約4㎞。まず標高差50m強の鋸山まで登り返し、その後はゆるい登りを3㎞ほど走ります。ここは余力があれば走れる傾斜です。

大岳山への登りが始まるといきなりの急登。鎖や岩をよじ登るパートもあります。意外にも大岳山の登りは短くて、御前山よりずっと楽な印象でした。大岳山山頂が53.7㎞地点で、ここまできたら厳しい登りはもうありません。

★大岳山(53km)~御岳山(58km)

大岳山から御岳山までは4㎞強です。大岳山山頂の直下は岩場。ここは怪我をしやすいポイントなので注意して下りましょう。数百メートル下ると神社に到着して、200m先にはコース上に水場がありますよ。2018年は暑かったので、天然の水場に助けられました。

水場からは走れる下り基調のトレイルです。特に御岳山の1.5㎞ほど前からは道幅も広くなり、いよいよクライマックス感が漂い始める。58㎞地点の第三関門に近づくと、応援が遠くからでも聞こえるでしょう。声援に吸い込まれるように関門を通過するといよいよ最後のパートです。

【クライマックス】御岳山(58km)~フィニッシュ(71.5km)

ハセツネクライマックス

いよいよハセツネのクライマックス「金毘羅尾根」を迎えます。第三関門からフィニッシュまでは13.5㎞。走れる下りがほとんどなので、トップ選手は1時間前後、走る余力がある人は2時間ほどでフィニッシュを迎えます。

第三関門を通過して少し進むと神社の水場が現れます。最後の水場なので、足りない人は給水しておきましょう。

御岳神社の宿坊街を抜け、2㎞ほど下りトレイルを走ったら最後の登りです。日の出山へ距離にして800mほどの登りを進む。ここは苦しいですがもう最後。頑張れます。日の出山の山頂からは遠くに街の灯りが見えて長い距離を走ってきたトレイルランナーを勇気づけます。

ここまで来たら後は楽しむのみ。標高差数メートルの登りがたまに現れる以外、ほぼ下りの10㎞。時折見える夜景が進む力をくれます。疲れていても集中力が高まるのが金毘羅尾根。暗闇の中で時間の感覚も失って走り続けると、舗装路が現れラスト1.5㎞で市街地に一気に入っていくのです。

最後のコーナーを右に曲がると歓声と拍手が迎えてくれる。五日市会館で71.5㎞のハセツネの旅が終わります。

【おまけ】2年連続ハセツネリタイアの経験から

僕は2016年、2017年と全く同じパターンでリタイアしました。2年連続、前半で潰れた原因を分析してみます。

リタイアまでの流れ

  1. マイペースで浅間峠まで行く。
  2. 浅間峠から西原峠までの区間で突然調子が崩れる。
  3. 胃の不調、ふらつき、体に力が入らないなどの症状で走れなくなる。
  4. 歩き中心で進むが復調せずに三頭山を下りて鞘口峠でリタイア。

浅間峠までマイペースで進んでいる(つもり)。そして足には余裕あり。しかし、体が全然動かないという状態でした。

リタイア原因の分析

僕は2年連続前半で完全につぶれてリタイアしました。レース全体を見ても、他のレースに比べて前半から中盤でのリタイア率が高いのがハセツネです。

僕は次の4つが原因となって、前半で厳しい状態になる人が多いのであろうと考えています。

  • 浅間峠までは、細かいアップダウンを繰り返しながらずっと登り続ける
  • 今熊神社への登りなど傾斜の大きな登りが時折現れる
  • 13時スタート。最も暑い時間に最もきついパートを走る
  • ハセツネは他のレースよりも序盤のペースが速い

意識して前半のペースをコントロールしないと高確率でダメージを負います。気づいた時にはもうまともには走れない状態になるのです。「マイペース」ではなく「楽すぎるかな…」と感じるぐらいがハセツネの序盤にはぴったりだと思っています。

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