日本山岳耐久レース(ハセツネカップ)コース解説

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ハセツネ

ハセツネのコースを区間ごとに区切って解説。

僕は2016年、2017年と鞘口峠でリタイア。2018年にやっと完走。

2年連続前半で苦しんだ経験も含め、コース全体を解説します。

コース概要:前半に凝縮

ハセツネ

出典:「長谷川恒男カップ」公認マップ

  • 距離:71.5㎞
  • 累積標高:4582m
  • 最高地点:1527m(三頭山山頂)

ハセツネのコースは36㎞地点の三頭山(最高地点1527m)までが登り基調、後半が下り基調のわかりやすいレイアウト。

後半は第二関門の月夜見(42㎞)直後の御前山と、大岳山への登り意外は長い登りはありません。

ペース配分についてよく言われるのが、スタート~第一関門(浅間峠:22㎞)・第一関門~第二関門(月夜見:42㎞)・第二関門~フィニッシュのタイム比率が3:3:4になるということ。

それぞれの区間の特徴と、自分の登り下りの適性を考えつつ、パートごとの目安タイムをはじき出すといいかもしれません。

【コース序盤】スタート~浅間峠(第一関門:22㎞)

五日市中学校をスタートし4㎞ほどはロードが中心。渋滞を避けるためか、ハセツネの序盤は全体的にスピードがかなり速め。2018年に出場した際には、スタートから300mほどの下りで転ぶ人もいました。転倒リスクが高いので要注意。

ロードと少しのトレイルで4㎞進むと、今熊神社へ200mほどの一気登り。ここからはほぼトレイルです。この登りはかなり斜度があり、心拍数が一気に上がる場所。

ここは、絶対に焦ってはいけないところです。ゆっくり、ゆっくり、心拍数を上げずに一歩一歩登りましょう。

今熊神社が約4㎞地点。ここから約19㎞地点の生藤山までの15㎞は、ひたすら細かいアップダウンを繰り返しながら徐々に標高を上げていきます。

序盤だから走れてしまうものの、非常に負荷の高い区間です。醍醐丸(15㎞)付近の登りなど急な箇所も多いので、ここで他の大会と同じ感覚で走ると浅間峠以降で地獄を見ることになります。

生藤山から3㎞ほどは下りが増えて、第一関門の浅間峠に到着。レースの序盤ながら、50位以内で到着する選手でもこの時点で苦しくなっている人が多いのもハセツネの特徴。

浅間峠までのペース配分にかかってくる部分は非常に大きいと言えます。

【コース中盤】浅間峠(第一関門:22km)~月夜見(第二関門:42㎞)

個人的にはコース中盤の「浅間峠~三頭山」のおよそ14㎞がハセツネの肝かと。ここでペースを落とさずに淡々と走れた人は、満足のいく結果を残す印象です。

浅間峠(22km)~三頭山(36km)

第一関門の浅間峠を通過し、10㎞先の西原峠まではだらだらとした登り基調のトレイルが続きます。

時々斜度の大きな登りがあるものの、走力のある選手は「走れる…けど…」と感じるやらしい登り。浅間峠までに消耗していると、この10㎞が絶望的に長く感じます。

そして、西原峠から三頭山までは標高差350mほどの登り。余裕があればそれほどの登りではないのです。

しかし、細かいアップダウンに削られた体にはかなり酷。耐えて、耐えて、足を前に出すしかない。避難小屋を過ぎると、残り標高差100mを一気に登って三頭山山頂です。

三頭山(36km)~月夜見(42km)

三頭山山頂から鞘口峠までは1.7㎞。

この下りは急です。ライトで照らしながらの下りで、岩も多いのでここは怪我をしやすい。暗闇での下りに慣れる意味も含め、はじめはゆっくり進みましょう。

鞘口峠まで下りたら、第二関門の月夜見第二駐車場までは約4㎞。鞘口峠からの標高差約100mの登り返しが地味にきついですが、それ以降は大丈夫。割と平坦なトレイルで第二関門まで走ります。

3回車道に出るので、車に注意してください。

【コース終盤】月夜見第二駐車場(第二関門:42km)~第三関門(御岳山:58km)

第二関門がハセツネコース上で唯一の補給ポイント。スポーツドリンクか水を1.5l補給して後半戦に備えます。

月夜見(42㎞)~御前山(46km)

第二関門から御前山までは約4.5㎞。1.5㎞ほどが下りとフラット。あとの3㎞弱はひたすらだらだらと登るパート。

この登りはかなり辛い。ピークかと思いきやフェイクの「惣岳山」が途中にあり、なかなか終わらぬ登りに気持ちも滅入る。

御前山を登り切れば一気に完走が近づく印象。御前山以降は走りやすいパートが増えます。

御前山(46km)~大岳山(53km)

御前山から大ダワまで3kmちょいの下りを一気に駆け抜ける。一部急なパートがあるものの、走れる部分が多いです。

大岳山が控えているのでペースアップはまだ早いですね。

大ダワに到着したら、最後の難所大岳山までは約4㎞。まず標高差50m強の鋸山まで登り返し、その後はゆるい登りを3㎞ほど走る。ここは、余力があれば走れる傾斜です。

大岳山への登りが始まるといきなりの急登。鎖や岩をよじ登るパートもあります。意外にも大岳山の登りは短くて、御前山よりずっと楽な印象でした。

大岳山山頂が53.7㎞地点。ここまできたら厳しい登りは、もうない。

大岳山(53km)~御岳山(第三関門:58km)

大岳山から御岳山までは4㎞強です。

大岳山山頂の直下は岩場。ここは怪我をしやすいポイントで、細心の注意が必要。

数百メートル下ると神社に到着。その200m先にはコース上に水場がありますよ。2018年は暑かったので、僕はここで1l以上ガブ飲み。ウマすぎて言葉を失いました。

そこからは、走れる下り基調のトレイル。特に、御岳山の1.5㎞ほど前からは道幅も広くなり、いよいよクライマックス感が漂い始めるのです。

58㎞地点の第三関門に近づくと、大勢の応援が遠くからでも聞こえます。吸い込まれるように関門を通過するといよいよ最後のパートです。

【クライマックス】御岳山(第三関門:58km)~フィニッシュ(71.5km)

いよいよハセツネのクライマックス「金毘羅尾根」を迎えます。

第三関門からフィニッシュまでは13.5㎞。走れる下りがほとんどなので、トップ選手は1時間前後、走る余力があれば2時間ほどでフィニッシュを迎えます。

第三関門を通過して、少し進むと最後の水場が出現。神社の水場です。水が足りない人は最後にここで給水しておきましょう。

御岳神社の宿場街を抜け、2㎞ほど下りトレイルを走ったら最後の登りです。日の出山へ800mほどの登りを進む。ここは苦しいですがもう最後。頑張れます。

日の出山山頂からは街の夜景を一望。ここまで来たらあとはフィニッシュに向けて障壁はなにもないです。

数メートルの上りがたまに現れる以外、ほぼ下りの10㎞。時折見える夜景が進む力をくれます。

それまで疲れていても集中力が高まるのが金毘羅尾根。暗闇の中で時間の感覚も失って走り続けると、舗装路が現れラスト1.5㎞で市街地に一気に入っていきます。

最後のコーナーを右に曲がると歓声と拍手が迎えてくれる。五日市会館で71.5㎞のハセツネの旅が終わります。

【おまけ】2年連続リタイアの経験から

僕は2016年、2017年と全く同じパターンでリタイア。2年連続、前半で潰れた原因を分析してみます。

リタイアまでの流れ

  1. マイペースで浅間峠まで行く
  2. 浅間峠から西原峠までの区間で突然調子が崩れる。
  3. 胃の不調、ふらつき、体に力が入らないなどの要因で走れなくなる。
  4. 歩き中心で進むが復調せずに三頭山を下りて鞘口峠でリタイア。

浅間峠までマイペースで進んでいる。そして、足には余裕あり。しかし、極端に体が動かないという状態でした。

原因の分析

なぜ、ハセツネでは前半でこれほどきつい状態に陥るのか。同程度の距離のレースに比較して、前半から中盤でのリタイア率が相当高いことも気になっていました。

僕は次の4つが主な理由だと考えます。

  • 浅間峠まで細かいアップダウンを繰り返しながら、ずっと登り続ける
  • 今熊神社への登りなど傾斜の大きな登りも時々ある
  • 13時スタート。最も暑い時間に最もきついパートを走る
  • ハセツネは他のレースよりも序盤のペースが速い

4つとも、自分で意識していないと気付かぬ間にやられる。気づいた時にはもうまともには走れない状態になる。

「マイペース」ではなく、「楽すぎるかな…」と感じるぐらいがハセツネの序盤にはぴったりだと思っています。

 

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