
(この記事は2019年4月8日に更新されました。)
カフェインは万能ではないので要注意。
「カフェインがランニング競技に与える影響を知りたい」
「カフェイン断ちの効果とやり方を知りたい」
この記事はそんな方に向けて作成しています。
目次
カフェインはマラソン競技に影響を与える
カフェインは2003年までWADA(世界アンチ・ドーピング機構)の禁止リストに入っていました。2004年以降も監視対象物質なので、今後再び禁止されることもありえるでしょう。
普段から多くの人が摂取している物質ながら実は影響力が大きいカフェイン。最近では携行食やエナジードリンクに使われ、多くのランナーにとって親しみのある存在になっています。
この記事ではカフェインを摂取するメリットとデメリットを解説します。
カフェインがマラソンに及ぼすメリット
よく知られている覚醒作用に加えて、競技力向上のために役立つと考えられているのが脂肪燃焼効果です。
覚醒作用
カフェインの効果として「覚醒作用」はよく知られています。仕事や勉強中に眠たくなるとコーヒーを飲む人が多いのは覚醒作用を期待してのこと。カフェインが睡眠関連物質の「アデノシン」を脳内でブロックすることで、覚醒状態になり集中力が高まります。
マラソン競技の後半にカフェインを摂取する目的の一つが、疲れによって散漫になった集中力を再び高めること。自分の走りに没入することで、後半のタイムの落ち込みを減らす効果が期待できますね。
脂肪燃焼効果
カフェイン摂取がマラソン競技において効果アリと言われる主な理由は「脂肪燃焼効果」があるから。
カフェインが脂肪分解酵素の「リパーゼ」を活性化させ、脂肪が分解されやすくなります。つまり、蓄えられている脂肪を効率的にエネルギーとして使えるようになるのです。
カフェインがマラソンに及ぼすデメリット
カフェイン摂取によるデメリットは、利尿作用によりレースへの集中が困難になること。
ただし利尿作用を感じる程度には大きな個人差があり、ほとんど利尿作用はないとする報告も存在。普段から「コーヒーを飲むとおしっこが出やすい」と感じる人はトイレに駆け込むリスクとメリットを天秤にかけてカフェインを摂るか判断しましょう。
効果を実感するためのカフェイン量は?
体重1kgあたり5mg程度のカフェインが運動に効果のある量とされています。体重70kgの僕だと350mg。コーヒーカップ1杯(150ml)には90㎎のカフェインが含まれているので必要量は約4杯です。
カフェインが効くまでに時間がかかるためスタート30~60分前に飲みましょう。ただしカフェインは胃腸の動きを活発化させるので、胃腸が弱い人は気をつけてください。僕は腸が弱くゲリしやすいので直前のカフェイン摂取はしません。
カフェイン断ちの目的と方法
ランナーの中で話題になる「カフェイン断ち」には2つの目的があります。
- 前日~当日のカフェインを制限することで利尿作用を防止
- 一定期間カフェインを摂取しないことで、当日摂取した際の効果を上げる
利尿作用を防ぎたい場合にはやり方は簡単。基本的にはレース当日、コーヒーや緑茶などカフェインが入っている飲料を口にしないことです。気になる人は前日からカフェインを制限してもいいですね。
カフェイン断ちをすると効果が上がるのか?
カフェインを摂り続けると耐性ができて効果が鈍くなると言われています。そのためレース前に1週間ほど「カフェイン断ち」をして当日摂取するよう推奨されることがあります。
僕はこの方法には懐疑的。それまで毎日飲んでいたものを1週間やめて、大事なレース当日にいきなり飲むのは体調を崩す危険性があると思うからです。
エナジードリンクのカフェイン含有量も知っておこう
エナジードリンクの主な成分の一つはカフェイン。含有量の目安を知っておきましょう。
エナジードリンク代表格のレッドブル1缶あたりのカフェイン含有量は80mg。カップ1杯のコーヒーと変わらないですね。ちなみにレッドブルのショート缶とロング缶のカフェイン含有量はほぼ同じなので、カフェインを摂りたいだけならショート缶がお得。
さすがにレッドブルをレース前に4本飲むわけにはいかないので、カフェイン摂取目的だとエナジードリンクはそれほど効率的ではない。
2019年現在、カフェインはドーピングにはならない
2019年1月1日現在、ドーピングの禁止リストにカフェインは入っていないです。しかし、2019年監視プログラムには入っているので、今後禁止リストに入る可能性はあるでしょう。
2019禁止表国際基準(日本語版)はこちら
出典:公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構Webサイト
余談。栄養ドリンクの頂点「ユンケルスター」を飲んでみた!
イチローさんのCMでおなじみユンケルシリーズの最高峰は「ユンケルスター」。遠い昔のこと、社会人1年目の時に試しに飲んでみたのです。僕が買った時はドラッグストアで3,000円以上しましたよ。
箱を開けるとものものしいケースが登場し中央にひっそり鎮座するユンケルスター。一気に飲み干しワクワクしながら体の変化を待つも通常運行。翌日の寝覚めも変わらず、全身に力がみなぎることはありませんでした。カフェインと同じく、人によって効果はだいぶ違うみたいですね。
まとめ
- カフェインのメリットは脂肪燃焼効果と覚醒作用
- カフェインのデメリットは利尿作用
- 2019年1月1日現在、カフェインは禁止リストに入っていない
1988年千葉県産。25歳に走り始めた。サウナーでありロングスリーパー。ミドルレンジのトレイルレースを中心に走っている。おんじゅくオーシャントレイル2020、みたけ山トレイルラン2019などで優勝。PBはハーフが1:10、フルが2:35。
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