
(この記事は2019年7月27日に更新されました。)
1㎞の入りがまさかの2:40!
「川内選手が優勝したボストンマラソン2018のレース展開を知りたい」
「ボストンマラソンの参加資格を知りたい」
この記事はそんな方に向けて作成しました。
目次
ボストンマラソン2018で優勝の川内選手!大逃げ作戦を敢行。
2018年4月16日に開催されたボストンマラソン2018のスタート直後に川内選手がまさかのダッシュ。動画で確認すると、1㎞の通過はなんと2分40秒前後です。解説も「too fast!」と言って呆れていました。
10000mの世界記録(26:17、ケネニサ・ベケレ)のペースが、1㎞あたり2:37であることを考えても異常。さらに、川内選手の5000mベストタイム(13:58)のペースが1㎞あたり2:47であることを考えると、無謀とも言える走りです。でも、優勝しちゃうんですよね。
気象条件と自分の寒さへの適性を鑑みて、勝つための作戦を考えつく経験と知性。そして大舞台でそれをやってのける度胸。世界最速ではないけれど、世界”最強”は間違いなく川内選手でしょう。
ボストンマラソン2018は最悪の気象条件
スタート時の気温は3℃。強風かつ強雨。トップ争いをする選手でさえ、薄手のジャンバーを羽織る悪条件でした。それを川内選手は「最高のコンディション」だと言い切っています。
自己ベストで勝負は決まらない
今回のボストンマラソンには世界の一流ランナーが多数参加しました。自己ベストで見ると、2時間4分台、5分台、6分台が3人ずつ。2時間8分14秒が自己記録の川内選手にとって、タイムでは勝負できないことはわかっていたのです。
出国前には「集団で潜む」と語っていたものの、当日の気象条件を見るや作戦を真逆に変更するその勇気は並みじゃない。柔軟性と自分の決断を信じ切る意志の強さがあってこそできることですね。
ボストンマラソン2018での川内選手のレース展開
5㎞で後続に吸収される
1㎞2:40でインパクトを与えるも、その後は通常のペースに戻した川内選手。5㎞を15:00で通過し、直後に後続に追いつかれます。
中間地点では先頭集団でレースを展開
中間地点を1:05:59で通過。この時点では13人ほどの集団が形成されています。
30㎞地点で離される
30㎞地点で、先頭のジョフリー・キルイ選手(2017世界陸上マラソン優勝)からは30秒ほど遅れました。相手は世界陸上王者で持ちタイムもはるかに上。誰もが「これで終わりだ」と思ったことでしょう。
35㎞地点でさらにキルイ選手との差が開く
35km地点を2位で通過するも、先頭のキルイ選手との差は1分30秒まで開いています。しかし、ここからが川内劇場。追撃が始まる。
40㎞地点で20秒差
粘り続ける川内選手。40㎞地点ではついにキルイ選手に20秒と迫ります。その後は圧巻。キルイ選手を捉えて引き離し、1位でフィニッシュ。タイムは2時間15分58秒でした。瀬古利彦さんが1987年に優勝して以来、31年ぶりの快挙です。
奇しくも1987年は川内選手が生まれた年。31年の時を経て、独自の道を行く男がボストンを制しました。
2位のジョフリー・キルイ選手は2時間18分23秒でフィニッシュ。2時間5分以内の記録を持つアフリカ勢が悪天候と川内選手の”奇策”でガタガタになる中、川内選手はいつも通り、粘りの走りを最後まで続けて勝ち取った優勝でした。
ボストンマラソンの参加資格は?
ボストンマラソンは東京マラソンと同様、世界的に見て人気と格式の高いレースが指定される「ワールドマラソンメジャーズ」の一戦でワンウェイコース。国際陸上競技連盟の設定に合わないため、公認コースではありません。
人気が高いため参加へのハードルが高いのも特徴。年齢によって参加資格タイムが定められています。
ボストンマラソン男子参加資格(2020年~)
男子の参加資格を一部抜粋したものです。男女ともに、おおよそ5歳刻みで80歳以上のクラスまで参加資格タイムが設定されています。
- 男子18-34 3時間00分00秒
- 男子40-44 3時間10分00秒
- 男子50-54 3時間25分00秒
- 男子60-64 3時間50分00秒
【2019年7月27日追記】2020年以降、男女ともに従来の参加資格から5分短縮されました。
ボストンマラソン女子参加資格
女子の参加資格を一部抜粋したものです。
- 女子18-34 3時間30分00秒
- 女子40-44 3時間40分00秒
- 女子50-54 3時間55分00秒
- 女子60-64 4時間20分00秒
参加資格出典>>ボストンマラソン公式Webサイト
1988年千葉県産。25歳に走り始めた。サウナーでありロングスリーパー。ミドルレンジのトレイルレースを中心に走っている。おんじゅくオーシャントレイル2020、みたけ山トレイルラン2019などで優勝。PBはハーフが1:10、フルが2:35。
詳しいプロフィールはこちら。